「グルッポAストラダーレ」の成り立ちはまず、イタリア国内でデルタ・エボルツィオーネの上質なユーズドカーを探すところから始まります。ローマイレージで健康なモノコックを持ったデルタは、北イタリア・ヴェローナにあるアルベッティ・モータースでホワイトボディ状態にまでストリップされます。同社は数多くのグループAマシンを制作し、アバルトの技術を継承する職人を擁するガレージ。ここで当時のワークス・デルタと同じ手法でグループAボディへと生まれ変わるのです。一度フレーム修正機上で適正なボディアライメントを取ったホワイトボディは、サンドブラストによる薄板加工により軽量化され、同時にウィークポイントは溶接増しと当て鈑補強が行われます。そこにフル溶接タイプの23点式ロールケージが組み込まれた上で、もう一度ボディアライメントを取り直します。また、塗装も外装にワークス・マシン専用の薄く強い塗料「LANCIA 210 ビアンコ」、シャーシおよび室内はアバルト製ラリー・マシンの証ともいえる「グリージオメタリッツォ」を纏います。これらの結果、ノーマル車比でマイナス200kgという超軽量・高剛性ボディが生まれるのです。 一方エンジンはトリノにあるカーマルチポイント社において、こちらもワークス・マシンを手掛けていたメカニックの手により、当時のグループAの流儀に従った方法でチューニングされます。そうして生み出されたグループAスペックのDOHC4バルブユニットは最大で400psを発生させるポテンシャルを持ちますが、「グルッポAストラダーレ」はあくまでもロードカー。耐久性と乗り易さを重視し、300ps程度にセットアップされます。